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- text: TERUYASU KURIYAMA
- photo: DAIJIRO KORI
- (MOTO NAVI2007年8月号掲載)
結論から言おう。Z1000を一言で言うならば、調教された野生馬だ。 調教された というところがポイントである。
一見すればサラブレッドにも見えるが、本質はあくまで野生馬なのだ。順を追って説明しよう。
Z1000がデビューしたのは、2002年に開かれたドイツのモーターショー「インターモト」である。往年の名車「Z」の名を冠し、さらにZのアイデンティティでもあった4本出しのマフラー形状を踏襲。そして何より周囲を驚かせたのが、これからのカワサキを示唆するようなストリートファイター然としたスタイリングだった。
今回のフルモデルチェンジでは、エンジンこそセッティングを変更するのみにとどまったが、フレーム、シャシー共に一新。外装は前モデルにあった曲面を切り落としてエッジを際立たせ、「俺に触ると怪我するぜ」的なソリッドな雰囲気を醸し出している。
エンジンをかけるとリッタークラスの4気筒らしく「ウゥ————」と獣が息を潜めているような低く野太い排気音を吐き出す。そこからアクセルをラフに開けると、タコメーターの針は「ヴォンッ」と強烈な勢いで跳ね上がる。
路上に出て恐る恐るアクセルをあけると、まるでツルツルに磨かれた氷のうえを滑っているようにス————ッと滑らかに前進する。あ、あれ!? しばらくは低回転のみを使って街中を走ったが、拍子抜けするほど紳士的でその扱いやすさはサラブレッドを思わせた。マッチョな外観や野太い排気音から想像していたものとかなり印象が違うのだ。すり抜けもスイスイできるし、発進、停止も自然に行える。
ところが、である。アクセル開度を少しずつ増やしていくと、コイツがサラブレッドじゃない理由がわかる。本来の 野生馬 としての本質がでてくるのは、キッカリ4000rpm。それ以上アクセルを開けると辺りの空気がグニャリと歪むような、暴力的な加速を見せる。排気音も速度に比例して硬質で甲高くなり、アッという間に100km/hを超える。
ここがミソである。暴力的な加速と書いた。だが、それは剛性感の高い車体と、固めの前後サスペンションによってしっかりと受け止められているのだ。そしてラジアルマウントキャリパーとラジアルポンプマスターを採用したブレーキまわりが、まるで調教師が馬をなだめるかのように速度を削ぎ落としていく。ハンドリングもその加速のなかにあって実にニュートラル。これが 調教された と書いた所以だ。
「日本車には味がない」。誰が言ったのか知らないけど、ここ最近の二輪業界のなかではそんな風潮がある。つまりは、ドゥカやトラ、ビーエムなどの外車勢は、速いうえに面白いんだぜ、ということだ。もちろん外車の面白さは僕も認める(僕もBMWオーナーだ)。でも、そう思う人たちはきっと一昔前の日本車にしか乗ったことがないのだと思う。もしこの記事を読んで本当かよ? と思った人はぜひこのニューZに乗って欲しい。扱い切れるかどうかは別として、4000rpmを過ぎたとき、「日本車には味がない」なんて口が裂けても言えないはずだ。
2002年の秋にドイツのモーターショー「インターモト」で発表され、その特異なスタイリングで話題を呼んだZ1000。フルモデルチェンジを受けたニューZは、前モデルの曲線という曲線をすべて削ぎおとしエッジをたたせている。エンジンこそ前モデルと同じZX-9Rがベースだが、フレーム、サスペンション共に一新。ウインカーをビルトインしたシュラウドも新たに採用された。サイレンサーは排ガス規制の影響かかなり太くなっているが、Zのアイデンティティである4本出しは継承された。排気音は、まわせばまわすほど硬質で甲高くなる。ラジアルマウントキャリパーやラジアルポンプマスターシリンダーなどもこのモデルからの装備。
| KAWASAKI Z1000 | |
|---|---|
| サイズ全長 | 全長2090mm×全幅780mm×全高1065mm |
| ホイールベース | 1445mm |
| シート高サイズ | 820mm |
| タイヤサイズ | 前120/70ZR17、後190/50ZR17 |
| タンク容量 | 18.5ℓ |
| 乾燥重量 | 205Kg |
| エンジン | 953cc水冷4ストローク並列4気筒 DOHC4バルブ |
| 最高出力 | 125ps/10000rpm |
| 最大トルク | ー |
| 価格 | ー |
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ライディングポジションは今日のストリートファイター的なものでかなりアップライトだ。4000rpmを超えるとパワーがもりもり増してくるので注意が必要。レブリミットは11000rpm。



