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- text: MASAYUKI MIYAZAKI
- photo: DAIJIRO KORI
- (MOTO NAVI2007年12月号掲載)
ツーリングに行くといろんなライダーと出会う。旅には生活感が付きものなのだけれども、その生活感をヨシとするかしないかで、装いもかなり変わってくる。「利便性こそ最大の正義」の満載派から、「コンパクトさこそ最高の美徳」というミニマム派 まで、十人十色だ。ただはっきり言えば、どんなオートバイや装備を選ぼうが旅はできる。夏の北海道を走るカブ乗りの多さは、彼の地を訪れたことのあるライダーなら誰もが知っているはずだ。アベレージスピードと旅のプレジャーは言わずもがな、関係ない。 関係はないが、時速200km/hで走れば1時間後に確実に200km先にいることが難なくこなせる新しい旅の友、1400GTRがデビューした。
車体をつぶさに見ていくと、ベースがZZR1400の変化形、と言ってしまうのは乱暴だなと思うほど各所に手が加えられていた。アルミモノコックフレームにFI+ラムエアダクトを装着するDOHCインラインフォーエンジン搭載、までは同じ。でもそのエンジンには新たに可変バルブタイミングシステムが加えられ、ドライブトレーンの終点はチェーンではなくてシャフトに変更された。片方で10kgまで積めるパニアケースも、手許スイッチひとつで上下動するスクリーンも、果ては前後タイヤの空気圧まで表示してくれる情報満載の液晶パネルも、すべて標準装備。ここまであるならグリップヒーターもほしい。
ウェイトはガソリン満タンで軽く300kgオーバーだ。そんなオートバイの取り回しがラクなわけない。パニアケースが左右に張り出したビッグボディにたじろぎつつ、車体をウンショウンショと前に押し出し、ふたたびサイドスタンドをかけてエンジンスタート。硬質でメカニカルノイズの少ないエンジン音は、なんだかスゲー速そうだ。
いざ跨って意外だったのが、大柄な車体に比してライポジがコンパクトなこと。降ろした脚がステップと干渉するのは以前試乗したヴェルシスと同じ、でも走り始めてしまえば逆にその位置がジャストだと感じるのもまた同じ。痛し痒し。重くない油圧クラッチを丁寧につないで発進させると、ZZR1400よりもさらに太らされた中低速トルクを利して、重量級の車体をグイグイと前に押し出す。シフトアップさせながらズオーッズオーッと気づけばハイ、数秒後に100km/hオーバー。これは免許が心配だ。
ハンドリングはオン・ザ・レール、コーナリングでもっと追い込みたければ、エンジンパワーを活かして 曲げていくほうが理に適っている。ひとたび高速道路に入れば問答無用のGTRは、ツアラーというよりもグランツーリスモだ。結果としてのハイスピードというよりも、それ自体が目的化してしまいそうな快適快感の高速性能をGTRは具えている。
さてGTR。冒頭のミニマム派にこそオススメしたい。荷物はすべてパニアケースに詰め込み、涼しい顔してズバンと目的地を目指すのだ。ノンビリ派からは「そんなに急いで何処へ行く?」だろうが、前方の視界がどんどん狭くなっていく様もまた非日常、また旅なのであった。
| KAWASAKI 1400GTR | |
|---|---|
| サイズ全長 | 全長2270mm×全幅1000mm×全高1405mm (high position)×1290mm(low position) |
| ホイールベース | 1520mm |
| シート高サイズ | 815mm |
| タイヤサイズ | 前120/70-17、後190/50-17 |
| タンク容量 | 22.0ℓ |
| 乾燥重量 | 279Kg |
| エンジン | 1352cc 水冷4ストローク 並列4気筒 DOHC4バルブ |
| 最高出力 | 155ps/8800rpm |
| 最大トルク | ー |
| 価格 | ー |
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最高出力は兄弟車ZZR1400より抑えられているものの、依然として空恐ろしいパワー感で重量級の車体を加速させる。電動可変するスクリーンは効率よく風を遮ってくれるのでラクチンだ。アシは間違いなく硬い部類。



