
-
- ALL (12)
- SPORTS (1)
- NAKED (3)
- SCOOTER (1)
- DUAL PURPOSE (4)
- TOURING SPORTS (1)
- CRUISER (2)
- text: TSUTOMU MATSUI
- photo: TAKAAKI MIURA
- (MOTO NAVI2007年12月号掲載)
国産の250ccクラスのイメージは、車体が軽くて取り回しがラクだからビギナーでもお手軽。そのうえ車検がないから維持費も安く、高速道路だって走れちゃう。ビッグスクーターはそうでもないが、スポーツバイク、特にオフ系モデルはこの「お手軽さ」にがんじがらめになっている気がするのだ。例えばセローやXRは独自の走りの世界観をもっていて、オフロードに踏み入れば楽しい。それはもちろん承知しつつも、KTMやハスクバーナといった外車勢の4スト250ccモデルと比較すると、エンジンの回り方や、ブレーキタッチ、切れ味鋭いハンドリングといった、闘志満々な走りに大きな開きを感じてしまうのも事実。
もちろん、彼らは車検のあるなしを考えてマシン作りをしていないし、排気量の大きさに違わず、どのマシンも同じように高い走りの質感をもっている。そのぶん値段も張るわけだが、この性能に触れれば、誰もが納得させられるはずだ。
さて、この春先に行われたモーターサイクルショーで発表され、長いこと発売を待たれたWR250Rがようやく登場した。このバイクの凄いところは、呪いのようにまとわりつく軽二輪の「お手軽さ」と決別したことだ。ヤマハはオフロードのYZF-R1としてぶちあげ、プレミアムオフ、というコピーをカタログに踊らせた。その走りは、アルミダイキャストフレームと前後270のストロークを持つサスペンションの恩恵で、世界グランプリのコースでもある菅生のモトクロスコースでも思う存分楽しめた。ああ、ジャンプがもっと上手ければ、と残念に思うほどシャーシには余裕たっぷり。
エンジンは、インジェクションのセッティングの良さも相まって、レーサー同様のショートストロークだとは信じがたいほど乗りやすい。粘るのだ。それでいて全開で走るときには軽快さを見せる。ハンドリングも秀逸で、同じコーナーで同じラインを繰り返し再現できる。上手く乗れている感が全身で感じられるのだ。ああ、オフロードって最高。そう思える瞬間をライダーに提供し、スポーツし続ける歓びを味わわせてくれる。当日はアスファルトでの試乗は叶わなかったが、どんな走りを見せてくれるのか早く試したい、という期待が膨らんだ。ヤマハよくやった、とオフ好きとしては素直にうれしい。それは、あまり売り上げが芳しくないこのセグメントにこれだけの投資をしたことへのねぎらいでもあるし、今後の期待でもある。
だが、そんな期待と同時に、21世紀の今の技術でスポーツバイクを造れば、これぐらい当たり前だろ? という思いも浮かんでくる。70万円という価格と性能のバランスは保たれているのだが、あえてプレミアムとうたうなら、数万円高くてもいいから、シフトペダルやハンドルバー、ブレーキレバーの握り心地などにもこだわって欲しかった。唯一「お手軽さ」の残像がそこに見える。 しかし、なにより僕は、あの熱いレプリカ時代を過ごした同世代のライダーに訴えたい。これに乗ってもう一度、オフロードに行こう! と。
「プレミアムオフロードスポーツ」を標榜するブランニューオフバイク。新設計の水冷DOHC4バルブエンジンは、吸気側にチタンバルブを採用し、吸気ポートをダウンドラフト化するという、YZF-R1の4気筒からひとつだけ切り取ったようなエンジンだ。シリンダー外壁の贅肉の無さも凄い。オイル潤滑方式は、タンクやホース等で補機類が増えるドライサンプとはせず、フレームアンダーループの間にオイルパンを効率的に配置したウェットサンプ。フレームはメインがアルミダイキャスト、エンジンハンガーがパイプ製となる。サイドビューはゼッケンプレートを廃止し、テールを短く切り上げることで、最新ロードモデルのようなオーバーハングの短さを実現させた。
| YAMAHA WR250R | |
|---|---|
| サイズ全長 | 全長2190mm×全幅810mm×全高1235mm |
| ホイールベース | 1425mm |
| シート高サイズ | 895mm |
| タイヤサイズ | 前80/100-20、後120/80-18 |
| タンク容量 | 7.6ℓ |
| 乾燥重量 | 123Kg |
| エンジン | 249cc 水冷4ストローク単気筒 DOHC4バルブ |
| 最高出力 | 31ps/10000rpm |
| 最大トルク | ー |
| 価格 | ー |
![大人のためのバイク&ファッション総合サイト|MOTONAVI.net [モトナビネット]](http://www.moto-navi.net/img/share/logo.png)

ドライのコースにOEMタイヤ。想像以上にグリップが良かったのは、回転数に対してほどよいパワーを出力してくれるから。また、ジャンプを何度も行ったが、前後サスは底付きすることなくしっかりと受け止めてくれた。



