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- text: 八代俊二
- photo: 長谷川 徹
- (MOTO NAVI2011年4月号掲載)
珠玉のトリプルは○難隠す!?今時の若者は言わないだろうけど、昔の人は「色白は七難隠す!」って言った(らしい)。女の子が色白だと他がオヘチャでも可愛く見えるというか、他のダメな部分が目立たなくなるっていうような意味なんだけど、タイガー800に試乗して真っ先に脳裏に浮かんだのが、この「色白は……」ていうフレーズだった。甚だ個人的な意見で申し訳ないけど、トライアンフのバイクって、かなりそういう傾向があるように思う。つまり、トラの場合はエンジンがこの〝色白〞に相当する。
オリジナルの3気筒エンジンは、圧倒的な中速トルクと特有の振動、そして官能的なサウンドは他の追随を許さない。なかでも、レッドゾーンまでバンバン回せるミドルクラスは、音フェチのストライクゾーンを直撃。これさえあれば他は何も要らない!と思わせるくらいの魅力がある。そんな魔性のエンジンを搭載したマルチパーパスモデルがこのタイガー800というわけだ。とはいえ、デイトナ675とかに搭載されているロードスポーツ用エンジンをそのまま積むんじゃ脳が無いってんで、ボア×ストローク比を変更している。ストロークを9・6㎜延長して排気量を799㏄に拡大したエンジンは、低回転域でのレスポンスが力強くなり、2000rpmも回せば余裕でスタートが可能。さらに低中速トルクも上乗せされ、4000rpm付近から湧き出るようにトルクがのる。もともと3気筒は4気筒よりもトルク感が太く、2気筒よりも吹け上がりがスムーズという、双方の良いとこ取りみたいなエンジンだけど、ロングストローク化されたことで更に中速トルクが分厚くなり、800㏄とは思えぬ力強さ。7000rpmを超えてからの3気筒特有の官能的なサウンドも冴え渡り、高速道路では、あたかも前方の四輪車がバックしてくるかのような加速力を発揮してくれる。その一方、ロングストローク化されたエンジンは高回転の伸びがイマイチ。10000rpmでキッチリ、ハッキリ作動するリミッターが問答無用に回転上昇を打ち切る。10000rpmから赤く塗られているとはいえ、12000pmまで目盛りが刻まれたタコメーターを見ればレッドゾーンを超えてもやんわりリミッターが効くようなイメージを持ってしまう。しかし、実際にはいきなり電源を落としたようながさつな効き方するのだ。まあオフロードじゃそこまで回せないだろうし、オンロードでもそこまで回さなくても十分過ぎるくらい速く走れるけど、リミッターはもう少し控え目に効いて欲しいところだ。
あと気になったのはシートが固くて、エッジが立っているってこと。このシートに長時間座らされたら、多分怒るよ日本の女子は。イギリス女性は、肉感的だから怒らないのかな?あと、転倒リスクの高いマルチパーパス車なのにタンデムステップのベース(サブフレーム)がメインフレームに直付けなのも気になった。ボルトオンだとどれ位コストが違うのか分からないけど、ここはひとつ奮発してボルトオンにして欲しかったな。その他、サスペンションセッティング(特にフロント)が固かったり、ハンドルの切れ角が足りないのも少々不満が残る。つまり、何だかんだと、気になる点があるバイクなのだ。じゃあ、タイガー800がつまらないバイクなのかというと、もちろんそんなことはない。湾曲したパイプフレームや容量19ℓの燃料タンクなどの魅力的な装備を備えているし、そして何より、ハート(=エンジン)が良いからね。やっぱりバイクと女の子は色白に限るってことかな。
セッティングがハードな前後サスペンション。その効果で倒し込みや車線変更時は軽快で素早く反応するが、その分通過スピードが低い街中でのコーナリングはサスペンションが沈み込まず、タイヤのグリップ感も乏しい。反面、コンパクトでアップライトなポジションは、マシンを押さえ込む積極的なライディングが楽しめる。
1.裏側のバーを組みかえることで810㎜と830㎜の2段階に高さ調整が可能なシート。
2.メーターはアナログ式の回転計にデジタル表示の速度計。スクリーンは高さ調整式でメインキーシリンダーの横には電源ソケットも備わる。
3.約400㎞のロングライドが可能な19ℓの大容量フューエルタンク。
4.従来の675㏄水冷3気筒をストロークアップし、低速トルクが強化された新型エンジンを搭載する。
5.大型のグラブバーが備わるタンデムシート。十分な面積をもつリアラックには専用トップケースがオプションで用意されている。
6.フロントタイヤは走破性の高い19インチを採用する。倒立フォークにダブルディスクブレーキの組み合わせ。
| TRIUMPH TIGER800 | |
|---|---|
| サイズ全長 | 全長2215㎜×全幅795㎜×全高1350㎜ |
| ホイールベース | 1555㎜ |
| シート高サイズ | 810㎜、830㎜ |
| タイヤサイズ | 前100 / 90-ZR19、150 / 70-ZR17 |
| タンク容量 | 19ℓ |
| 乾燥重量 | 210Kg |
| エンジン | 799㏄水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ |
| 最高出力 | 95ps / 9300rpm |
| 最大トルク | 8.0㎏ -m / 7850rpm |
| 価格 | ¥1,135,050 ¥1,229,550(ABS 付モデル※5月下旬発売予定) |
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