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- text: KEISUKE KAWANISHI
- photo: TAKAAKI MIURA
- (MOTO NAVI2009年4月号掲載)
イタリアのブランド。小さいスクーターが得意。世界GPの125cc、250ccクラスで活躍してる。ハラダやロッシも乗ってたよね。アプリリアについて尋ねたら、きっとそんな断片的なイメージが挙るだろう。で、どこで売ってるの?
何度かそう聞かれたことがある。欧州の大メーカーであるアプリリアは、こと日本市場においてはまだまだ「知られていない」ブランドなのだ。だが最近、その存在感が増してきた。急速にキャラが立ってきたのだ。ひとつは際立って未来的なデザイン。ドライブ・バイ・ワイアやスポーツATなどハイテク機構の採用、加えて非常に戦略的な(つまり割安な)価格設定。業界的な話しをするなら、ピアジオグループ入りして開発資金が潤沢になったおかげかもしれない。とにかくこのところのアプリリアは元気なのである。
さてドルソデューロだ。一言でいえば昨年発売された750ccツイン、シヴァーの「モタード版」ということになる。金色の極太フロントフォーク、車体右側にオフセットされたリアサス、シートカウルから突き出したテールパイプ。デザインは最近のアプリリア車に共通する、SF映画から飛び出してきたようなフューチャー系。カタログもスライド、ウイリー、バーンナウトといったアクション系写真が並べられ、“PLAY HARD”“RIDE HARD”といったキャッチフレーズが踊る。徹底してこのバイクは「万人向けじゃないんだぜ」と謳い、キャラを立てているのだ。
しかし乗った印象はそれほどハードではなかった。いやハンドリングはヒラヒラというワケじゃないし、乗り心地もどちらかというと固めだ。だがハードというよりはアルデンテ。コシのある乗り味で個人的にはキライじゃない。
むしろ好印象だったのはシヴァーにも採用される、エンジンの出力特性マッピングをスイッチで切り替えられる「トリマップ」機構。<スポーツ><ルーリング><レイン>という3つのモードを切り替えることでバイクの印象がガラリと変わる。<ツーリング>でも十分キビキビしてるのだが、さらに<スポーツ>を選ぶと微妙なアクセル操作に「グオッ、グオッ」とまるで噛み付くように反応し、思わず“エクストリームな”気分になる。できないけど。いっぽう<レイン>では明らかにレスポンスが一拍遅れ、トゥロロロロ……と穏やかにトルクが立ち上がる。でも街中をのんびりと流すならこれぐらいがちょうどいいよなァ、と思った。つまり状況や気分によって3つの異なる性格を使い分けられるのである。。
恥ずかしながら、僕が試乗して「このオートバイはこうだ」なんて分かったふうを言っているのは、じつはほとんどこのエンジンマネージメントに左右されているだけ、ということが分かったのだが……。でも通常は開発エンジニアが「これ!」と決めてしまうマシンの性格を、ライダーが任意で選べるというのはやはり画期的なことだ。
ATスポーツのマーナに乗ったときも思ったが、今や日本車以上のハイテク機構を備え、インパクトのある個性的デザインを纏い、欧州車はもちろん日本の同クラス車と較べても遜色のないプライスを掲げるアプリリア車が、このところ急速に存在感を増しているのは、至極当然なのかもしれない。
「ワールドスーパーモタード選手権での経験をフィードバックした」と謳うドルソデューロの車体はスチールパイプとアルミチューブを組み合わせたハイブリッドフレームを採用。極太のフロント倒立フォークとレーシングスイングアームにより高い剛性を備える。ウェーブディスクにラジアルマウントのキャリパーとブレーキシステムも強力。3つのパワーモードが選べるライド・バイ・ワイア電子制御スロットルを採用する750ccVツインエンジンは基本的にシヴァーと共通。870mmという高めのシートは、173cmのテスターで両足のつま先が軽く接地する程度。196kgの車重はシヴァーより3kg軽い。
| APRILIA DORSODURO | |
|---|---|
| サイズ全長 | 全長2210㎜×全幅905㎜×全高1185㎜ |
| ホイールベース | 1505mm |
| シート高サイズ | 870mm |
| タイヤサイズ | 前120/70-ZR17、後180/55-ZR17 |
| タンク容量 | 12.0ℓ |
| 乾燥重量 | 196㎏ |
| エンジン | 750㏄水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ |
| 最高出力 | 92ps/8000rpm |
| 最大トルク | 8.7kgm/4500rpm |
| 価格 | ¥1,198,000 |
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「スポーツ」「ツーリング」「レイン」のモード切り替えによりエンジン特性はハッキリと変化する。ワインディングを流す程度なら「スポーツ」が最適。剛性の高いハンドリングは限りなくオンロードスポーツに近い。



