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KAWASAKI NINJA250R

これならワイフも迷わなかった

  • text: YOSHINARI MATUSHITA
  • photo: KEN TAKAYANAGI
  • (MOTO NAVI2008年8月号掲載)

 唐突だが、皆さんが持つ“忍者”のイメージってどんなですか? きっとその多くが「軽快ですばしっこい」というモノではないだろうか。では、今のNinjaシリーズはどうだろう。僕の勝手なイメージを当てはめると、ハイパワーで骨太のZXー10Rは豪傑な弁慶。6Rは技巧派の剣客。なーんて想像を巡らすと実に面白いが、どっちもMotoGPマシン譲りのスポーツ性能を前面に押し出した、素晴らしい出来のオートバイだと思う。

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KAWASAKI NINJA250R

REVIEW

でもね、どれも僕ら日本人が持つ本来の忍者のイメージにはあてはまらない気がする。主観かもしれないけど、このニンジャ250Rこそが前述した忍者のイメージにピッタリ合致すると、僕は考える。
そう言い切るには多くの理由がある。見た目のボリューム感からは想像できない程の足着きの良さは、小柄なライダーや、体力に自信のない女性に歓迎されるだろう。対して、僕の様な大柄なライダーが乗っても、迫力あるデザインのお陰でマシンと人間との一体感があまり崩れない。つまり、単純に格好良い。

走り出してまず驚いたのは、極低速での安定性だった。歩くほどの車速でも、ハンドルがフラ付く様なイヤな動きは皆無。速度を徐々に上げていっても、その安定感は変わることがなかった。いっぽう本格的なスポーツライディングでも、12500rpmまで刻まれたタコメーターの針をビンビン踊らせるように、ギアチェンジを積極的に繰り返すことで、思わず「ニヤリ」とするキビキビ感を堪能できる。

失礼ながら僕は、この“走り”の部分をあまり期待していなかった。2気筒エンジンとスチールフレームの組み合わせは「モサッとした、格好だけのマシンかな」と考えていたからだ。しかし、このネガティブな想像は、実際に乗ってみて雲散霧消した。車格に合った使い切れるエンジンパワーを包み込む、適度なしなやかさを持ったフレーム。シッカリ感が高く、適切な動きをライダーに伝えるサスペンション。そして、そこに敢えて130という細いリアタイヤを組み合わせることで、安定感と運動性能を両立させ現代にスポーツ・クォーターを復活させた。

ガイシャを含め、猫も杓子もビッグバイクに目を向けがちな昨今だが、「スポーツライディングを身の丈で学べる」、そんなマシンが市場に無かったことを考えると、ニンジャ250Rの登場は多いに歓迎すべきだろう。実用性も高く、本当の意味で敷居を下げた、誰もがパートナーシップを楽しめるマシンに仕上がっているのだ。250㏄ロード・スポーツクラスは、このマシンの登場によってがぜん活況を呈するだろう。今後、他メーカーがどう動くのかが気になるところでもある。
ちなみに、僕のワイフもバイク乗りだ。今でこそ、オートバイの扱いはそれなりに慣れたものの、小柄な彼女が初心者の頃は、まぁ~本当に色んな意味で苦労したものだ。当時、このニンジャ250Rが在れば、間違いなく購入の選択肢の筆頭に名前が挙がっていただろう。僕が乗っても楽しめるしね(そこが本音だったりして)。

ポジションが楽な反面、車体の姿勢がやや後ろ下がりに感じるが、フルバンク時の旋回性は上々。どんなコーナーでも、必要以上にハンドルが切れ込む様なことはなかった。切れ角が大きいので、Uターンは楽チンだ。

大型スピードメーターを中心に右が水温計、左がタコメーター。ちょっとレトロな雰囲気が漂うコクピットまわり。 (※写真をクリックで拡大表示します)

STYLING

(※写真をクリックで拡大表示します)

久々に登場したカワサキのスポーツ・クォーター。スタイリングはNinjaの名に恥じないレーシーなもので、特にサイドからタンク、シートエンドへかけての流れる様な、そしてエッジの効いたラインは非常に美しい。見た目のスポーティさとは裏腹に、ポジションはかなり楽。ハンドル位置は意外に高めで、ステップもそれ程戦闘的な位置にはないのだ。ライトはZ1000にクリソツの厳つい印象で格好よろしい。前後ブレーキは兄貴分にならいペタルディスクを採用。特にフロントは290mmと大径で、十分以上の制動力を確保している。今後、国内各メーカーもこの路線で追随する可能性は極めて高いだろう。販売台数の滑り出しは絶好調で、納車待ちも多いと聞いている。

SPECIFICATION

KAWASAKI NINJA250R
サイズ全長 全長2085mm×全幅715mm×全高1110mm
ホイールベース 1400mm
シート高サイズ 775mm
タイヤサイズ 前110/70-17、後130/70-17
タンク容量 17ℓ
乾燥重量 153kg
エンジン 248cc水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ
最高出力 31ps/11000rpm
最大トルク 2.1kgm/8500rpm
価格 ¥498,000